📙名詞<⬅︎to doで説明>
- 前置詞のto/不定詞のto:コアイメージは同じ
- to 不定詞=”to+動詞の原形”の意味
- 名詞⬅︎<to do>の例
2つの「to」:コアイメージ
「to」には❶「前置詞のto」と❷「不定詞のto」があります。toの後ろの単語が名詞の場合は前置詞で、動詞の場合は「不定詞のto」になります。
to+名詞➡︎前置詞
to+動詞の原形➡︎不定詞
どちらの「to」も、コアイメージは「ここ!」とゴールを指し示すイメージです。
名詞⬅︎<to 名詞/動詞の原形>
この2つのtoで名詞を後ろから説明した例をあげてみると、
❶[the strategic <to the victory>]:[戦略 <=「勝利」というゴールへ到達するための>]
❷[the strategic <to win>]:[戦略<=「勝つ」というゴールへ到達するための>]
という感じになります。どちらも、戦略(the strategic)が「勝利/勝つ」というゴールを指し示している、というニュアンスを出しています。
❶は「to the victory(勝利)」でうしろに名詞がきているので前置詞のtoで、❷は「to win」で「勝つ」という動詞がきているので不定詞のtoです。
前置詞のto | 不定詞のto |
to 名詞 | to do(動詞の原型) |
the strategic <=to the victory> | the strategic <=to win> |
戦略 <=勝利がゴール> | 戦略 <=勝つことがゴール> |
動詞の原形って何?
to 不定詞は「to+動詞の原形」です。
ここで簡単に、「動詞の原形」ということばの意味を説明します。
動詞は、時間や主語が変わると形を変えます。簡単な例文で説明します。
I play basketball everyday.
私は/する/バスケを/毎日
ここでは「play(する)」が動詞で、このplayという動詞は、時間や主語が変わると様々な姿に形を変えます。
I play basketball everyday. →現在形
私は/する/バスケを/毎日
I am playing basketball now. →現在形進行形
私は/しているところ/バスケを/今
I played basketball yesterday. →過去形
私は/した/バスケを/昨日
I have played basketball for 5 years. →現在完了形
私は/している/バスケを/5年間
I play basketball everyday.→「I」が主語(ふつうの現在形)
私は/する/バスケを/毎日
He plays basketball everyday.→「He」が主語(3人称単数現在形)
彼は/する/バスケを/毎日
このように、動詞は「現在形」や「過去形」等の色んな「かたち」に変身します。
そして、「時間」や「主語」によって変化する前の「もとのかたち」のことを「動詞の原型」と言います。「動詞の原型」は変身する前のメタモン、といったところでしょうか。

playや他の簡単な動詞を例に表にすると、
原形 | 現在形 | 過去形 | 現在分詞形 | 過去分詞形 |
play | play | played | playing | playing |
do | do/does | did | doing | done |
make | make/makes | made | making | made |
run | run/runs | run | running | run |
となります。
to不定詞の後ろに、例えば「to makes」や「to did」のように、変化した動詞をもってくることはできません。必ず「動詞のもとのかたち」である「動詞の原形」を使います。
「to do(不定詞)」のコア:こうすることがゴール!
このように、「to」には「ここ!」とゴールを指し示すコアイメージがあります。そのtoの後ろに「〜する」という動詞が続く「to do」のコアイメージは、
「こうすることがゴール!」
というイメージ。だからさっきの
❷[the strategic <to win>]
は、
[戦略<=勝つことがゴール>]
というイメージを表現しています。なので普通に日本語に直す時は、
[the strategic <to win>:[戦略<=勝つための>]
というように、「〜するための」という言葉が使われるのです。
不定詞の形容詞的用法=不定詞で名詞を説明するということ
多くの参考書では「不定詞の形容詞的用法=〜するための」と説明されています。
「形容詞」は、「名詞」を説明する品詞でした。例えば
a beautiful woman
美しい➡︎女性
というように、beautifulという形容詞で「woman」を説明しています。
不定詞の形容詞的用法、というは、[名詞⬅︎<to do>]の形で名詞を後ろから説明しています。
「名詞を説明する不定詞」=「形容詞的な不定詞」という意味で「不定詞の形容詞的用法」と呼ばれてます。
不定詞の形容詞的用法
・「名詞を説明する不定詞」=形容詞的な役割を持つ不定詞という意味
・[名詞⬅︎<to do>]の形で名詞を説明
・「〜するための名詞」と訳される
※「〜することがゴールの名詞」というコアイメージから「〜するための名詞」となる
名詞⬅︎<to do>の例文
では、名詞⬅︎<to do>を意識していくつか例文を分解していきます。
I need some tools to fix my car.
tool:道具
fix:修理する
S | V | O |
I | need | some tools <=to fix my car>. |
私は | 必要とする | いくつかの道具 <=私の車を修理することがゴール> |
「some tools(道具)」という名詞を、<to fix my car>が後ろから説明してます。
This is a notebook to note some tips of investing .
note:メモする
tips:コツ・秘訣
S | V | C |
This | is | a notebook <=to note some tips of investing>. |
これ | は | 1冊のノート <=投資についてのコツ・秘訣をメモすることがゴール> だ |
「a notebook(ノート)」という名詞を、<to note some tips of investing>が後ろから説明してます。
I have nothing to do.
nothing:何もないこと
S | V | C |
I | have | nothing <=to do>. |
私は | もつ | 何もないこと <=する(終わらせる)ことがゴール> を |
これは少し直訳するとわかりづらいんですが、「nothing(何も無いこと)」という名詞を、<to do(するための)>が後ろから説明してます。何もすることがない、という時この表現を使って、何かすることがある、という場合は
I have something to do.
と言います。
Masks to protect people from virus is out of stock.
virus:ウイルス
be out of stock:在庫切れ
S | V | C |
Masks <=to protect people from virus>. | is | out of stock. |
マスクたち <=人々をウイルスから守ることがゴールの> | は | 在庫切れだ。 |
「Masks(マスク)」という名詞を、<to protect people from virus(人々をウイルスから守るための)>が後ろから説明してます。
I bought fresh ingredients to use in cooking dinner.
fresh:新鮮な
ingredient(イングリディエント):材料・食材/成分/原料
S | V | C |
I | bought | fresh ingredients <=to use in cooking dinner>. |
私は | 買った | 新鮮な食材たち <=夕飯の料理に使うことがゴール> を |
「fresh ingredients(新鮮な食材たち)」という名詞を、<to use in cooking dinner>が後ろから説明してます。
単語を推測する
ここで、「ingredients(食材)」という聞きなれない単語が登場しました
I bought fresh ingredients to use in cooking dinner.
ingredientsってなんだろう?
こういう時、文法知識を使って単語の意味を推測することができます。
ここではまず、「ingredients」と「複数形」になっていることに注目します。さらに「bought(買う)」という動詞の後ろに来てOブロックにあるので、「ingredients」=名詞だとわかります。
そこで、[名詞<to do>]の知識を使って、[fresh ingredients⬅︎<to do〜>]で、「名詞を後ろから説明の形」ではないかと仮定してみると、
I bought [fresh ingredients<to use in cooking dinner>].
と[]や<>を書き込んでみます。ここまでで、「私はfresh ingredientsを買った」ということまではわかります。そして、
「fresh(新鮮な)」
と
<to use in cooking dinner(夕飯の料理に使うための)>
という意味が分かれば、なんとなく
ingredientsって食べ物か何かかな?
という推測ができ、「夕飯作るために食材か何かを買ってきたのね」ということがなんとなくわかるのではないかと思います。
このように、文法を理解するとわからない単語が出てきても推測することができます。
この世に存在する英単語を全て覚えるなんてことは不可能ですが、会話によく登場する英文法をマスターして、省エネで英語力をあげていきましょう。
音読してみる
[名詞⬅︎<to do>]とSVOCのブロックを意識
では、今回習った例文を音読してみましょう。[名詞⬅︎<to do>]が、どのSVOCのカタマリ・ブロックに入っているか、を意識して音読してください。“相手に伝えるように、役者になったつもり”の意識は忘れずに!
I need some tools to fix my car.
This is a notebook to note some tips of investing.
I have nothing to do.
Masks to protect people from virus is out of stock.
I bought fresh ingredient to use in cooking dinner.
There is no place to play in this town.